【課題と取り組みの方向】
1) 宮崎大学医学部附属病院 (以下、大学病院) 救急部の課題
大学病院救急部は宮崎県の保健医療計画において、県立宮崎病院救命救急 センターとともに3次救急医療施設に位置付けられている。しかし、大学病院は市街地から離れており、救急患者を十分確保できていない。また、指導医も講座所属の教員(3名)のみであり、救急医療に関する教育・研修が満足に行えない。
今後のコア・カリキュラムへの対応、初期臨床研修医の確保、さらには地域医療を担う医師の養成・確保という観点から、救急医療の教育・研修体制の整備・充実が喫緊の課題となっている。
2) 県立宮崎病院救命救急センターの課題
県立宮崎病院は宮崎市の中心部に位置し、県の基幹医療センター(病床数:630床)であるとともに、本学医学部の関連教育病院でもある。救命救急センターを昭和59年に設置したが、救急専門医の不在等で、県民の期待に十分応えられていない。これまで、複数の大学に救急専門医の派遣を要請してきたが、全国的な救急専門医不足のため、確保が望めない。
3) 取り組みの方向
大学病院救急部は救急専門医を抱えているものの、立地条件が悪く、患者数が少ない。一方、県立宮崎病院救命救急センターは立地条件(県央の救命救急センター)・患者数では優れているが、救急専門医がいない。両施設は人的・物的資源において補完関係にあり、集約・重点化を図ることにより、学生・研修医等の教育・研修の場が確保できるとともに宮崎県の救急医療の質の向上が期待できる。